―ぶどう栽培の日記➂誘引作業ってもったいない?―
5月7日。今、八天堂ぶどう園では「誘引(ゆういん)作業」が始まっています。
ぶどう園を見渡すと花穂(かすい)が沢山見えます。(※花穂:ぶどうの房の元)
まだ、ぶどうとは言いがたいフォルムですが、成長した姿が想起され、テンションが上がってきます。
ぶどうの元になる花穂が沢山見えます
誘引作業とは、ひとつの枝に栄養を集中させるため、天井のトンネルビニールに向かって伸びた枝を側面のワイヤーに寄せてテープで固定する作業です。
ワイヤーに一つ枝がくくれたら、残していたもう一つの枝は取り除きます。
この誘引作業によって、今後の作業がスムーズに行えるかどうかが決まる大切な工程です。
テープで枝とワイヤーを固定させます
誘引作業は、強引に枝を引っ張ると枝が折れてしまいます。そこで、匠の技の登場!
枝の根本付近を捻枝(ねんし)して天に向かっている枝を横に伸びるように調整します。
(※捻枝:枝をねじること)
八天堂ぶどう園では、11品種のぶどうを栽培していますが、その中でもメインのシャインマスカットは枝が折れにくく、作業しやすい特徴があります。
しかし、藤稔や瀬戸ジャイアンツといった品種は枝が折れやすく、この捻枝作戦を多用するようです。
捻枝。枝をねじって枝をワイヤーへ近づけます
テープでの固定が無事完了しました
ちなみに、この白いテープ。光分解テープになっていて、太陽の光を浴びて一旦強度が増します。しかし、収穫が終わり、1年もするとひび割れ劣化するようになっていて作業しやすい便利な素材です。
ぶどうの形に似たつぼみを沢山地面に落としていく作業。
なんだかもったいなく思います。これもぶどうになるならば・・・と思うのが心情ですが、これもおいしいぶどうをつくるため。
今後は摘粒(てきりゅう)といった作業が始まりますが、こういった間引きを繰り返して美味しいぶどうをつくっていくのですね。
ぶどうのつぼみが沢山・・・
最後に、今年初収穫をむかえるグロースクローネをご紹介します。3年前、この八天堂ぶどう園を再生する時に植樹した新品種です。
次回、このぶどう園のご紹介と共に「グロースクローネ」についても詳しくお話したいと思います。
今年初収穫を予定している「グロースクローネ」
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