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ぶどう栽培の日記

―ぶどう栽培の日記④花穂整形に秘密兵器あり―

5月20日。八天堂ぶどう園では、「花穂整形(かすいせいけい)」を実施しています。

花穂整形は、前回ご紹介した花穂(ぶどうの房の元)を3~4cmの長さに整える作業です。

なんのために花穂整形するのか?というと、私たちが店頭で見るぶどうの房型にするためです。海外産のぶどうを見ると粒が小さく、細長く房が沢山付いていると思います。花穂整形をしないと、そのような房型になるのですが、やはり日本では逆三角形で房がふっくらしたぶどうが喜ばれるため、そのような処理をしています(他にも理由がありますが、今回は代表的な理由をご紹介しました)。

作業前は、花穂が根本の方まで沢山ついていますが、これを品種に応じて適正な長さを超えた部分を取り除きます(八天堂ぶどう園では、シャインマスカットは4cm)。

花穂が沢山ついた状態

はさみで花穂を切り落とします

品種によりますが、例えばシャインマスカットは軸が強いので、素手で直接花穂をこそぐことも出来ます。品種によって作業手法を変えているあたりが職人技ですね。

品種によっては素手でダイレクトに取り除くことも

花穂整形が終わった軸を見てみると、上に2つ花穂が残っています。理由を確認すると、今後のジベレリン処理(種無しぶどうにするための処理)を実施する時に使用するのだそうです。

八天堂ぶどう園では、ジベレリン処理を2回実施します。

ぶどう園には約15,000房のぶどうがありますし、品種の成長具合によって処理するタイミングをずらしているので、どのぶどうがジベレリン処理を何回したのか記憶することは不可能です。

そこで、花穂を2つ残しておいて、1回ジベレリン処理が終わったら1つ取り除き、2回目が終わったら残りの花穂を取り除くことで作業の漏れを防いでいるのです。

ぶどう園によってやり方は様々ですが、植物を相手にしているので様々な知恵を使って少しでも良いぶどうを育てたいという職人の愛情を感じますね。

花穂整形完了後、上に2つだけ残しています

ちなみに、職人の域に達すれば感覚で作業を進められますが、素人には4cmと言われても感覚が掴みにくいですよね。

そこで、花穂整形専用ばさみには、刃の部分に長さのメモリが印字してあるんです。

これで感覚を養って、いずれメモリを見なくても作業できるようになると自信がついてきます。

花穂整形用のはさみに長さが印字されています

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